tajimanomegane



オイドクサについての小ネタ

最近のベルリンフィルのガット弦使用率について書いてみたところですが、
エディクソン・ルイースも意外にガット弦は好きなようです。

広告なので差し引いて考えておくべきだし、
実際には彼はオケの中ではベルカント、ソロではスピロコアを使うことが多いように見えます。
(グナルス・ウパニトエクスもベルカントの方が多いし)

とはいえ、モダンオケの最先端で、再びガット弦が戻ってきたり、
そうでなくてもベルカントのような方向性の弦が好まれるようになっているというのは、なかなか示唆的です。

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# by tajimanomegane | 2017-09-26 22:46 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

ガット弦についての雑感

上手い人ってそこらへんにいるんだなあと。


ガットにしてはすごくクリアだし、なんの弦を使っているのだろうとコメント欄を読んでいたら、
Aquilaなのだそうです。

思えば、Aquilaのプレーンガットは結構発音しやすいし、弓で弾きやすいキャラクターでした。
Gamutも似たキャラクターです。
ちなみに、一番弓で弾きづらいのは、あろうことかピラストロだと思います。

ついでに、プレーンガット各メーカーのキャラクターについては、

アルコで弾いた時、落ち着いたキャラクターが欲しいのなら、Aquila, Gamut, Lenzner, Pure Corde
まろやか系でパワーが欲しいなら、Toro、
サクサクしたガットっぽい子音がほしいならKathedrale、
ピチカートのポクポクっとした音が欲しいならPirastro

というあたりかと思います。
製作精度的なところも考えると、Aquila, Gamut, Kathedrale, Pirastroあたりが個人的には好きなところです。


ところで、最近話をしていて、えっ?と思ったのが、アクィラについてでした。
アクィラが倒産したという話を聞いたんですが、それは僕の知っている情報とは一致しなかったし、
何より、アクィラは生産を続けている。
たしかに、何年か前にBSE関係で、たしかイタリア政府が止めていたかなにかで、原材料が調達できなくなり、ガット弦の生産を止めていた時期はありましたが、その後、再開しました。

なんというか、情報っていうのは常にアップデートしなきゃいけないし、常に検証していかなきゃいけないなと思います。
このブログも、古い記事は(あまりにアレなやつを除き)基本的にそのまんま残していますが、
よく読まれている記事の中で、今とは考えの違うものもかなりあります。
鵜呑みにされると困るのです。


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# by tajimanomegane | 2017-09-25 15:20 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(4)

弦の巻き方

まあ、あの、ひよりまして。
金属弦を張りまして。

金属弦は金属弦で良さがあるなというのは認めているところです。
どんな楽器であっても、それなりに鳴らすことができる。
プレーンガットだと、鳴らない楽器はとことん鳴らない。弦以外の、楽器のクオリティとか調整の良し悪し、何より奏者の腕が、プレーンガットは直にでてきますが、金属弦は多少、そのあたりを助けてくれます。
(その代償として、どんな楽器でも「その弦の音」になりがちなのですが)

さて、それで弦の巻き方の話。

今回、試してみたいことがあって、二つの張り方を試してみました。

・フェルトを外す。
・ペグに巻きつける回数を少なくする。

なぜかというと、そっちの方が音がいいと聞いたからです。

f0221876_01225116.jpg
で、それをやってみると、2、3巻きくらいでこんな感じになりますね。

結果、音色はものすごくパリパリした感じの、ダイレクトな音になりましたが、
演奏感は右手の抵抗感が強くなり、楽器が暴れているような感じが強くなりました。振動のロスがなさすぎて、振動が跳ね返ってくる感じです。

どうにも、落ち着きません。
僕が欲しいのは太く・柔らかい音。

一ヶ月くらい、この状態でやってみて、どうにも欲しいところにいかないので、巻き方を変えてみました。

・フェルトをつける。
・ペグに巻きつける回数を増やす。

フェルトというのは、ピラストロやダダリオの弦を買うと付いてくる、あのフェルトですね。
f0221876_01233543.jpg
オイドクサやオリーヴなど、金属巻きガット弦には二つ付いてきますが、スチール弦やナイロンなんかには一つだけ付いています。
トマスティークやヤーガー、ピラストロでもコルダなんかのプレーンガット弦には付いてきません。
ヴェルヴェットなんかは、付け方が全然別物なので、全然関係ないです。


そして、巻き方は
f0221876_01231272.jpg

こんな感じになります。

結果、音色は丸く柔らかくなり、
演奏感は、抵抗が少なく、楽器の鳴りを邪魔してしまう余計な振動を逃す緩みがあり、振動の伝達経路が整えられる感じになります

ああ、これ、好きな感じの音だ。


なので、まとめると

・アメリカのオケとかにありがちな、パキパキした音が欲しいならフェルトを外して、ペグに巻きつける回数を減らした方がいい。
ほかにはソリスティックでダイレクトな音が欲しい場合にも試してみる価値はある。

・ドイツのオケみたいな、やわらかい音が欲しいなら、フェルトをつけて、なるべくペグに巻きつける回数を増やしたほうがいい。


お金もかからないし、お手軽ながら、音と演奏感が結構変わるので、試してみるのは面白いです。


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# by tajimanomegane | 2017-09-06 02:02 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

弦が動かす弓

昨日、あるレッスンを見させていただいて、ああ、なるほど、と納得したこと。


最適な弓の速さは、弦の振動数が決定する部分がある。


どういうことかというと、ヘルムホルツ振動によるStick&Slipの周期によって、弓自体が動かされる、ということです。
(http://tajimegane.exblog.jp/27585721/)
このイメージを使えば、
「弓→弦」
という動きだけでなく、
「弦→弓」
という動きも可能です。

二つほど、実験してみましょう。

実験1
・弓を二本用意する。
・1本の弓は重心あたりで紐で結び、水平に垂らせるようにする。
・楽器を仰向けに寝かせて、紐で水平に垂らした弓を弦の上に乗せる。
・弓を乗せた弦を、もう一本の弓でこする。
・垂らした弓を置く場所を変えて実験してみる。

これで、垂らした弓が「一方向どちらか」に動くことがはっきりするので、ヘルムホルツ振動によって、弓が動かされることがわかります。


実験2
今度は楽器を構えて、
・左手でピチカートをします(場所は、オクターヴよりも駒より、低音弦の方がわかりやすいです)。
・その直後、素早く、静かに弓を弦の上に乗せてみてください。

これをしてみると、ダウン方向にピチカートをしたときにはダウン方向に、アップ方向にピチカートをしたときにはアップ方向に、
ほんの少し弓が引っ張られるのがわかるはずです。
(オクターヴよりもネック寄りをピチカートした時には逆方向になります。ヘルムホルツ運動で考えてもらえれば。)

さて、この弓を引っ張る弦の動きは、ヘルムホルツ運動の振幅や振動数によって決まってきます

で、弦の持っている振動数に合わせた弓の速度を設定できれば、
言い換えれば、アタックの瞬間から、弦の持っている振動数に適した速度で弓を動かせれば、圧力がなくても、弓毛と弦のコンタクトはもっとも緻密に取ることができ、弓毛と弦の緻密なコンタクトは充実した音に繋がっていくはずなんです。


弓の速度が振動数によって決まってくるっていうのは、クヌート・ギュットラーが言っている、次の図式とも一致します。

Bow Pressure,
Bow Distance from Bridge, = Acceleration
Frequency,

弓圧
駒からの弓の距離   = 加速
振動数



で、こうしてみると、弓の動かし方でよく言われる、
"Follow the Bow!"
っていうのも、実はイメージじゃなくて、弓が弦に従って動いていくのに気づけ、ということもあるかもしれないですね。

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# by tajimanomegane | 2017-07-28 13:39 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

最近のベルリンフィルのガット弦使用率

カラヤン時代のベルリンフィルといえば、ピラストロのスチール弦、しかも同一のもので統一されていたものですが、ここ最近はガットの使用率が上がっている上に、それで定着しつつあるようにも見えます。

例えば、最近のヴァルトビューネの写真から。

f0221876_13232357.jpg
Photos: Monika Rittershaus
http://68.media.tumblr.com/3506a0152abbe51b91fea8b58fb21de2/tumblr_osiq15ZAMk1qats4wo1_1280.jpg

左の楽器が首席のザクサラ、右の楽器がベテランのヴォルフのものですが、
ザクサラの楽器は2-5番線がピラストロのオイドクサ、1番線がオブリガート、ヴォルフの楽器は3-5番線がオイドクサ、1、2番線がトマスティークのベルカント、っていうのが見て取れます。
(テールピース側の飾り糸だけみるとオリジナルフラットクロームのようにも見えますが、ペグ側の飾り糸や、飾りの色〔オイドクサの方が青が深いです〕などをみると、オイドクサなんですよね)


それから、ヨーロッパコンサートでも。
f0221876_13292791.jpg
Photos: Monika Rittershaus
http://68.media.tumblr.com/78ec7fb5a80d1baebab02518918cf696/tumblr_opblg2Azxo1qats4wo2_1280.jpg
ハインツェがプレーンガット(Nicholas Baldock氏のKathedraleですね)使っています。

他にも、僕が見えた限りでは、首席のマクドナルドがやはりヴォルフと同じ弦の組み合わせを使い、ライネもオイドクサ率が高いです(ライネはときどき変わります)。

そして、それ以外となると、ヤヌーシュ・ヴィゼクがオリジナルフラットクローム率が高いくらいで、他はみんなベルカント。


そして、面白いことに、どういうわけだか、シンセティク弦はあまり定着しないのです。
オイドクサを使っている奏者はオイドクサを使い続けているし、ベルカントを使っている奏者は別のスチール弦に変わることがあっても、スチールのまま。
エヴァ・ピラッツィを張っていた奏者もいましたが、最近はベルカントに戻っていたりするのです。

なんとなく、その理由はわからないでもなくて。
エヴァは、重さをかけていくと、音に異様な硬さが出ちゃうのと、弦の伸び率が高いせいで、発音時に少し伸びてしまい、若干の発音の遅れと、子音の立ち方が少し湿った感じになってしまうことがあります(とくに柔らかい松脂を使っているときには)。
その点、オイドクサもベルカントも、発音時にはカリッとした音が出るし、重さを掛けても(やりすぎれば音が潰れるにせよ)、異様な硬さは出ないんですよね。

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# by tajimanomegane | 2017-07-26 13:54 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)


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