tajimanomegane



座奏時に背骨を自由にするために

ここ二回ほど、リン・ハレルのヴィデオをシェアして、座奏の場合の姿勢について書いてきました。

リン・ハレルのいうポイントは、わずかに前傾すること。
これに加えて僕が付け加えたいポイントは、


・股関節と座骨がどこにあって、どう動いているのかを確認すること。
・背骨全体のことを考えること。

さて、座奏の場合、バス椅子に座る奏者の場合には、「猫背」つまり、背骨のS字カーブを腰骨のところで曲げ、C字カーブにしてしまっている奏者が多いことは指摘しました。これは腰を痛める原因になります。

しかし、チェリストの場合には、S字カーブをさらにきつくしてしまうような「いい姿勢」もあります。
これもやはり腰を痛めやすくなります。

そこで、座る場合にS字カーブを保ち、背骨を伸ばしながら座る方法をご紹介します。
アレクサンダー・テクニークでおなじみのバジルさんのヴィデオが参考になります。



実際にこれをやってみてうまくいかないなあという人は、ぜひ実際にアレクサンダーのレッスンを受けてみてください。
教師のガイド付きでやるとうまくいくことが多いです。


座奏時には音が悪くなるという場合、椅子の座り方がうまくいっていないケースがよくあります。
つまり、背骨をどこか必要ないところで曲げたり、股関節の位置を勘違いしていたりすることがあります。
背骨全体を縮めるような座り方をしている場合、アンサンブルにたいする注意力も下がってきます。

逆に、頭から尾てい骨までの背骨全体を自由にできると、楽器の鳴りがよくなるだけでなく、アンサンブルにたいする注意力や気づきも鋭くなってきます。



[PR]
# by tajimanomegane | 2017-03-14 17:41 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

座奏時にフットレストがあった方がいい理由

さて、この前もシェアした、リン・ハレルのチェロワークショップ。



要点の一つは、わずかに前提姿勢をとった方が楽器の鳴りがよい、ということでした。

さて、これをコントラバスの場合に当てはめて考えます。

立奏の場合、前傾するとこんな感じでしょうか。
前傾のためには、股関節から曲げたほうが効率が良いですが、それでも、重心を考えるとこんな感じになるはずです。
f0221876_01430458.png
あくまでイメージで、正確なボディマップピングはできてませんが、悪しからずご了承いただければ。
つまり、単に前傾しちゃうと、転ばないように、腰を使っちゃうんですよね。
なので、片足どちらかを前に出して、頭の重さを支える支点を確保したほうが良いかと思います。

次に、普通のバス椅子に座る場合を考えてみましょう。
バス椅子は高い割に座面が小さく、安定性に欠けることが多々あります。
そういうものに座るとき、よく見かけるのはつぎの姿勢です。
f0221876_01501466.png
つまり、転ばないように骨盤を後傾させてしまい、そのせいでいわゆる猫背になってしまうパターンが多く発生します。
ここで、最初にあげたリン・ハレルのヴィデオを思い出していただきたいんですが、この状態だと音量が出にくくなります。
さらに、音量がでないのをカバーしようとすると、力みが入ってきます。


ということで、前傾するときに実は大事なのは、
転ばないために、前傾した時の頭の重心を支えるために、頭よりも前方に足の支えを確保するってことなんです。
f0221876_01535123.png
なので、こういう形が取れるように座奏した方が、いろいろと効率がよいことになります。
しかし、もちろんバス椅子は高いので、普通は奏者の脚の長さが足りなくなります。
そこで、フットレストがあった方が便利なんです。

細かいもしれませんが、あると結構違いますよ、フットレスト。

[PR]
# by tajimanomegane | 2017-03-11 02:00 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

「チェリスト」のエンドピン

チェリスト、リン・ハレルのヴィデオで参考になるのがありました。座奏するコントラバス奏者や、フレンチの奏者にはとても勉強になります。

姿勢(Posture)についての要点は、垂直よりもわずかに前傾すると音が良くなる、ということ。
さて、ここでしかし気をつけたいことがあります。

ン・ハレルは "Spine tilted" と言っていますが、注意したいのは、脊索(Spine)全体だということ。
そして、実際には、脊索の下端はむしろ、坐骨だということです。

次の図を見てみてください。
f0221876_22432907.jpg

(出典 http://www.huffingtonpost.co.uk/adrian-farrell/alexander-technique-sitting_b_8002762.html)

股関節よりも下、ちょうどエンドピンみたいに坐骨があるんです。
この坐骨があるから、前後に前傾するときにも、自由に動けるんですよね。
そして、坐骨から動くと、座っていても、脊椎全体の自由度が最大限に使える。

ところが、坐骨を後傾させて、脊椎の途中から曲げると、脊椎全体の自由度がガクッと下がります。
わかりやすく、一気に演奏のパフォーマンスが下がります。

バス椅子に座るときも、ロードのサドルにまたがるときも、デスクワークするときも、坐骨の使い方を考えると、だいぶ能率が変わって来ます。

[PR]
# by tajimanomegane | 2017-03-08 23:08 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

Helmholtz Motion and Stick&Slip effect on the bow

ヘルムホルツ運動と弓のStick&Slipの働きの連動を考えると、結構面白い。

ちょうど拾い物のアニメーションがあるので、これで。

f0221876_02271061.gif


(出典 https://mindfulcellist.wordpress.com/tag/helmholtz-motion/ )

これで考えてみると、

指板寄り:Stickしている時間が短く、Slipしている時間が長く
駒そば:Stickしている時間が長く、Slipしている時間が短く

ということになるのがわかりやすい。


弦を擦っている部分を拡大してみると動きはこういう感じになる。


Stickの時間は基本的には長く、Slipの時間は短いことがお分かりいただけると思う。


さらに、GIFアニメに戻ってみると、弦の最大振幅(中央部)と、実際に弓によって擦られる振動の距離も違うことがわかる。


加えて、同じ振動数、同じ振幅だったとしても

指板寄り:Stickしている距離が長い=多くの弓幅が必要
駒そば:Stickしている距離が短い=少ない弓幅で弾ける

ことがわかる。


もうすこし展開すると、松ヤニなどが多すぎて、指板寄りを弾く場合、Slipしているべき時間に、新たにStickが起こってしまうために、ヘルムホルツ振動が複数生じ、これが荒れた音色に聞こえるのだと考えられる。


また、逆に、駒そばで摩擦力が足りない場合には、最初のStickがうまくいかず、ヘルムホルツ振動の「角」がうまく生じないために、主音が聞こえない音になると考えられる。


[PR]
# by tajimanomegane | 2017-02-24 02:38 | コントラバス・ガンバ | Trackback | Comments(0)

「そこで息を吸って」の代わりに

最近やった本番で、指揮ができるコントラバス奏者の方とご一緒する機会がありました。
棒が振れるだけあってソルフェージュが明晰で弾きやすいといえば弾きやすいんですが、弾きにくさが残ることも否めませんでした。

問題の一つは、呼吸。
アインザッツを出すときに、息を吸って入りを示す首席奏者は多いと思いますし、楽曲をよく知っていない場合には、そうやってザッツを出してもらった方がわかりやすいことは多々あります。

でも、大きく呼吸を吸ってしまうと、その反動で、吸いきった瞬間に体が固まるんですよね。
それは音の入りの準備をするという意図とは別に、音楽の流れを止めてしまう固まり方になってしまう。

もちろん、息をするのを忘れているくらい、オーケストラのメンバー一人一人が固まっている場合には、息を吸えという指示が有効になることもあるかと思います。
でも、吸えたところで、固まってしまうなら、それはおそらく本来意図したことではない。

では、「息を吸え」という指示で本当に言いたかったことはなんなのか?
これも状況によって答えが違うことがありますが、わりとよく当てはまるのは、

「いつでも動けるように、自分に選択の自由を与えること。そのことによって、音の立ち上がる瞬間を意図的にコントロールすること」

なのだと思います。

もしこれが本当に言いたかったことなら、「息を吸え」よりももっと効果的なプランは、アレクサンダー・テクニークを使うことなんだと思います。
もっと平たく言えば、
「頭や首を固めているのを解放する」
「頭はどれくらい楽かな?」という問いかけをする。
アレクサンダー業界でいう、「Neck Free」は、慣れてくると瞬間的に起動できるものなのですが、
というか、「頭って自由に動けるし、動いていいんだ」と思考した瞬間に動き始めるので、アインザッツの代わりに使えるんですよね。

どうしても譜面に噛り付いてしまうときなんかに、「目をあげる」というのも、これはネックフリーにつながってきます。
というのは、遠くを見ようとして目をあげると、頭や首の固まりが解放されることが多いからです。

ただ、このときも、「見よう」としてしまうと固まることが多いので、代わりに、
「いま、自分は何が見えているのかな?」とという問いかけをするほうが効果的かもしれません。
つまり、「見る」という意思の代わりに、「見える」というすでにあるものへの気づきを利用する。

そして、自分に自由を与えるというのは、案外と、トップを弾くときにも大事なことなんだと、気づかされることがありました。
首席奏者が自由に動ける状態になっていると、トゥッティ奏者も自由に動ける状態になってくることが多い。
そうすると、じゃあ自分勝手に弾き始めるかというかというと、かえって、一番いいポイントを自分で探し始めて、自発的に合わせてくることが多い。
むしろ、パートで合わないという現象は、固まっていて聞こえるものを遮断していたことの結果であったり、動けないことへのフラストレーションを解放しようとして暴発した結果であったり、コントロールできなくなっていたことの結果なんじゃないかという気もします。
そういう働きがあることを信じて、委ねる、というあたりが、オーケストラのメンバー同士の信頼という話なんじゃないでしょうか。

[PR]
# by tajimanomegane | 2017-02-07 03:45 | 音楽 | Trackback | Comments(0)


コントラバス、ガンバ、ロードバイクをがんばりたい文系大学院生のブログ
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
人気ジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧